しきたりなんかくだらない

取材の合間に入ったとんかつ屋さん。隣りは全員中高年、どうやら親戚どうしらしい。久々に街へ出たこと、耳は遠いものの一緒に来ているお婆さんは元気ということ、そして一人のご婦人のご子息が結婚式をまじかに控えていることを楽しげに話している。話題の中心は若い二人のことではない。略式で…と言われたけれど、やっぱりしきたりに沿わないと恥かくわよねとか、結納返しはするのかしら?お土産って今でもするの?ってなこと。このお土産、私もさせられたけど、家族一人一人に何か贈るというもので、親戚には家紋を染めぬいた風呂敷を配り歩くという念の入れ様だ。年の頃からして皆もらった経験を語り始めたが、趣味が合わなかっただの一回も着てないだの、それって単なるムダじゃない!と思わずにはいられなかった。私のホームタウンではこんなもの無いので余計にちんぷんかんぷん、人事ながら止める勇気持とうよ!と力説したかった午後でした。